LINDY技術解説
USBの拡張と延長
USBの拡張と延長
現在世界にはおよそ60億を超える数の機器があると言われていますが、USBは現在最も多く使用されている接続インターフェイスです。
キーボード、マウス、プリンタ、デジタルカメラなど多くのデバイスとの接続に使用されており、標準的な接続インターフェイスとして普及しています。
USBは簡単且つシンプルに接続できる規格であるため、USB周辺機器は瞬く間に普及して一般的になりましたが、
同時にデスクトップPCやノートPCのUSBインターフェイスを拡張・延長したいという需要も高まっています。
USBを拡張すれば、一つのUSBデバイスを複数のPCで共用したり、一台のPCから複数のUSBデバイスへ同時にアクセスすることが可能になります。
また、ネットブックのようにUSBポートの数が少ないPCであっても、USBポートの数に関係なくUSBデバイスを接続できるようになります。
USBの延長とは、USB信号の転送距離を延長することにより、PCとUSBデバイスを遠く離れた場所で使用可能にすることです。
USB規格上ではUSBケーブルの最大距離は、パフォーマンス上の理由から5メートル以内が推奨されています。
しかし、いくつかの機器や環境においては5メートルでは足りず、どうしてもそれ以上の距離へ延長が必要になる場合があります。
USBハブと切替器
USB拡張の最も一般的な方法は、USBハブを使用することです。USBハブを使用すれば複数のUSBデバイスを一つのUSBポートへ接続できます。 ハブは全ての接続シグナルを順番にPCへ転送します。ハブには通常2~8つのUSBポートが付いているため、ポート数が不足することもありません。 ハブは独立した形のものだけでなく、モニタやキーボードに内蔵されているハブもあります。 USB切替器を使用すると、複数のPCで一台のUSBデバイスを共用できます。 USBプリンタのように複数のPCからアクセスされるデバイスとの使用に効果的です。 デバイスやケーブルを複数セット購入する場合に比べてコストパフォーマンスにも優れています。 通常、デバイスへアクセス可能なユーザー(PC)は一人であり、切替器によって交互に切り替えられます。 USB共有ハブはUSBハブとUSB切替器の機能を統合したものであり、複数のUSBデバイスを接続して複数のPCから同時アクセスが可能になります。 共有ハブは、大規模な環境又は高価なUSBデバイスへ複数人で同時にアクセスしたい場合に最適です。 |
USB延長ケーブル
USBを延長するには様々な方法があります。
最も簡単な方法はUSB延長ケーブルを使用してPCとUSBデバイスを直接接続する方法です。
USB延長ケーブルは、ケーブルの長さに応じて0.5メートルから5メートルの長さまで、自由な長さへ延長できます。
また、最新のUSB3.0規格は従来のUSB2.0や1.1と後方互換性を持っており、あらゆるUSB規格のデバイスを延長できます。
標準的な"パッシブ"USB延長ケーブルに代わる方法として、USB"アクティブ"延長ケーブルがあります。
このケーブルは内蔵された電子部品によって、5メートルの距離をサポートするUSB信号を再生成します。
そのため、複数のアクティブ延長ケーブルをデイジーチェーン(数珠つなぎ)することが可能で、最大25~56メートルまでの延長が可能です。
LANケーブルを使用したUSB延長
USBをとても長い距離へ延長したい場合、簡単でコストパフォーマンスに優れた方法としてLANケーブルを使用したUSB延長器があります。 この延長器には送信機と受信機2つのユニットがあり、送信機をPCのUSBポートへ接続、受信機をUSBデバイス側へ接続して、2つのユニットをLANケーブルで接続します。 この方法は対話式ホワイトボードの延長などによく使用されており、一般的で安価な、取り回しのし易いLANケーブルを使用できるため、延長コストを低く抑えることが可能です。 距離は最大50メートルまで延長できますが、唯一の問題はUSB2.0に対応していない点であり、USB1.1(最大転送速度:11Mbps)のパフォーマンスしか発揮できません。 このLANを使用したUSB延長器は、PCとUSBデバイスの接続を長距離延長する場合、最も簡単で低コストな方法です。 |
USBサーバを使用したネットワーク共有
おそらくUSB延長の究極の形は、ネットワークを使用して世界中どこからでもアクセスできるUSBサーバです。 標準的なUSBプリンタのようなデバイスでも、このUSBサーバを介してネットワークへ接続でき、ネットワークデバイスとして共有することが可能です。 USBサーバを既存のネットワークへ接続するだけで、同一ネットワーク内なら世界中どこにいてもUSBデバイスへアクセス可能になります。 |